理化学研究所

加藤ナノ量子フォトニクス研究室

ポスドク希望者へ

当研究室では理化学研究所の基礎特別研究員 および日本学術振興会の特別研究員 としての受入希望者を常時募集しています。希望者は履歴書と業績リストをメール で送付してください。ナノデバイスや光物性の研究に興味と熱意があり、関連する分野で研究経験がある方、あるいはさらに広い実験系一般の研究分野において顕著な研究業績を有する方の応募を期待しています。独力で研究を進める能力を持ち、かつ、研究室内外の研究者と信頼関係を構築して共同研究を遂行できる方を希望します。

こんな人を募集します

世界最先端の研究成果を出したい人

当研究室では、国際的に高く評価される研究成果を出すことを重視しています。誰が読んでも「これはいい仕事だ」と思ってもらえる論文を発表することを目指しており、結果として質の高いジャーナルが多くなっています(当研究室の論文リスト参照)。数は少なく見えるかもしれませんが、研究成果のレベルの高さは世界で認められており、海外開催の国際会議で多くの招待講演 があります。

学術的に興味深いことを新たに成し遂げて、誰もが納得する信頼性のあるデータを揃え、論旨明快な論文にまとめるのは簡単なことではありませんが、そのような研究成果こそが人類の知識の蓄積へ大きく貢献できると考えています。最先端のサイエンスを切り拓くために世界中の誰もまだやったことのないことに取り組んでいるので、当然、順調にいかないこともよくありますが、研究とはそういうものです。失敗してもへこたれずに明るく前向きに考えて、何度でも新しいアイデアを出して挑戦できる好奇心旺盛でタフな人を募集します。

英語力を鍛えたい人

国際化が進む現在、意思疎通程度の英語では物足りない場面も少なくありません。効果的な発表・議論・交渉をする英語力は、国際的に活動する研究者を目指す人には必須のスキルです。

当研究室では、世界に向けた研究成果アピールの一端を担ってもらうために、英語で発表する能力を徹底的に鍛え上げます。まずは毎週のグループミーティングでの一言報告から始め、聞き取りやすい発音・アクセントや「日本語英語」ではない自然な英語表現が身につくよう、海外暦18年の私 がアドバイスをしていきます。グループミーティングでの論文紹介発表でプレゼンの基礎を固めて質疑応答に慣れてもらい、学会での成果発表へとステップアップしていきます。

同様に、英語での作文能力も磨きます。論文を執筆する際はわかりやすく正確な文章を書くことが必要で、添削を繰り返すことにより正しい文法とシンプルで自然な言い回しを身につけてもらいます。また、論文でもそうですが査読者への返答文ではニュアンスも大事になってきます。何本も論文を書くことにより、文章が持つ雰囲気もコントロールできるようになってほしいと思っています。グローバルに活躍する科学者になりたいと思っている人、大歓迎です。

自立した研究者になる力を身につけたい人

ポスドクとして研究経験の幅を広げた後、自分の研究室を持って運営していくためには、研究費を獲得して論文を出すというサイクルを回していく必要があります。当研究室では、研究費申請書作成や論文査読を突破する技術もぜひ身につけてもらいたいと考えています。

これまで科研費若手(A)・JSTさきがけ・総務省SCOPE若手などの公的競争的資金に加え財団による研究助成に合計数十件以上採択されてきた経験を元に、申請書作成のアドバイスをしていきます。また、当研究室のこれまでの発表論文 では、査読まで回ったもののアクセプト率は9割を超えています。適切なジャーナルの選び方に加え、厳しい査読者にあたってしまった場合の対処法などを学んで欲しいと思います。

テニュア・トラック制度など若手研究者へのチャンスが広がる中で、われこそは、という野心と熱意のある人を応援します。

研究室の方針

自主独立

世界最先端の研究で成果を出すためには、市販の装置をいじっているだけではダメで、売ってないものを自分で作って研究を進めなくてはいけません。自分で装置の部品をデザインして金属加工したり、電気・電子回路を設計し組み立てたり、クリーンルームで微細加工の条件出しをしたり、計測電子機器の制御やデータ解析用のプログラムを作成したり、といった地道な作業が必要です。装置作りも試料準備も測定も解析も自分で手を動かすことにより、装置の仕組みや実験原理を深く理解することができ、結果として他の人には真似のできないほどの高度な実験を成功させたり、普通なら見落としてしまうような現象を発見したりすることにつながると私は考えています。

そのために、他人に依存する必要のない独立したテーマを一つは持ってもらいます。また、可能な限り一人ずつに測定系一つを担当してもらい、他人の都合を気にせず自分のテーマに必要な改造や整備をしたり自分のアイデアを試せるように実験上の自由度も確保したいと考えています。

少数精鋭

自主独立して頑張っているエキスパート同士が本気で議論するときにこそ、尖った新しいアイデアが生まれるものです。こういうと堅苦しいですが、要はお互いに何をやっているのか理解するように務め、よくディスカッションをして、仲良く楽しく 研究する、ということです。そんな少数精鋭チームを実現するために、厳選したメンバーを集めていきます。

国際的な活動を重視

トップジャーナルの査読者の大半は欧米人であり、そのコミュニティーでこそ「あのグループはいつも良い論文を出す」という評判を高めることが重要です。だからこそ論文の質を高めるために頑張るわけですが、発表した論文を効果的に宣伝することも大事です。欧米で開催される国際会議に積極的に参加するのはもちろんですが、海外でぶっつけ本番で英語の発表をするのではなく普段から国内でも英語で発表して練習します。また、同様の観点から国際共同研究も重要です。同じ分野の研究者に加えて、私の在米中の指導教官や共同研究者、今では大学教員になっている当時の研究室仲間といったネットワークを活用して共同研究を展開していきます。